(株)応用社会心理学研究所はこれまで、高校生や専門学校生・大学生の職業決定やキャリア決定の研究を行ってきました。「13歳のハローワーク公式サイト」と行った共同研究では、キャリア・ビューを明確に描けている人ほど、「就労意欲」「就職先としての決心」「就職先への満足」「就職先への納得」が高いということが分かっています。
「より良い職業選択とは何か」という問いに答えを出すことはとても難しいです。職業決定時点では分からないし、10年後になっても本人でさえも分からないかもしれません。
我々は、その中でも、より本人が納得できる「職業決定・定着・キャリアの積み上げ」を行える職業選択について研究してきました。職業決定のメカニズム、つまり、職業決定とはどのような状態なのか、職業決定のパターンやプロセスはどのようなものなのか、ということについては十分に明らかになっておらず、上記の問いを考える上でも、実態を明らかにすることは重要です。
そこで今回は、高校生・専門学校生・大学生を対象に、このような職業決定のメカニズムを明らかにする調査を実施しました。
調査結果について、順次公開していきます。
■調査概要
<調査目的>
本調査は高校生・大学生・専門学校生を対象に、 職業を決定するまでのプロセスを明らかにするために実施された。
村上龍の著作『13歳のハローワーク』のオフィシャルサイトである「13歳のハローワーク公式サイト」と(株)応用社会心理学研究所が共同で行った「“しごと観育成”研究会」では、「職業意識」を高めることが進路への納得につながることが明らかになってる。本調査はその一環として、実施された。
<調査方法>
本調査は、全国の高校生・大学生・専門学校生を対象に、オンラインパネルアンケートを使用して実施された。
パネルに事前に登録された、高校生500名、大学生500名、専門学校生400名の合計1400名から回答を得た。尚、男女比は均等になるよう、パネルのデータベースから無作為に選ばれた。
アンケートは、スマートフォンやパソコンを通じてオンラインにて配布された。
<調査時期>
2024年3月15日~2024年3月19日
<調査対象>
日本全国を対象に実施され、各都道府県から均等に以下の回答者が選出された。
全国の高校生、大学・短大生、専門学校生 合計1400名
■調査結果
仕事にしたい「好きなこと」ランキング –好きな対象–
職業決定のメカニズムについての調査結果を順次公開していきますが、まずは職業決定の背景にある「好きなこと」について見ていきます。その中でも今回は、高校生・大学生・専門学校生が”仕事にしたいと考えている「好きなこと」は何なのか”という部分に着目します。
「仕事で関わりたいテーマとして、あなたが特に好きなことや興味のあるものは、以下のうちどれか」と質問し、複数回答にて選んだ結果をまとめました。
※「好きな対象」、「好きな行動」、「好きな状況」などの複数の聞き方をしていますが、ここでは、「好きな対象」に絞ってランキングしています。
□高校生が仕事にしたいと考えている「好きなこと」-好きな対象- (500名回答/複数回答)
□大学生が仕事にしたいと考えている「好きなこと」-好きな対象- (500名回答/複数回答)
□専門学校生が仕事にしたいと考えている「好きなこと」-好きな対象- (400名回答/複数回答)