速報!
学生視点による「大学の価値」調査を実施
~「満足度」ではなく、「納得」を指標にした大学のリアルとは?~
このたび㈱応用社会心理学研究所では、この2020年春に卒業した全国の大学学部卒業者を対象に、学生視点による大学の価値、大学教育のリアリティを測定する調査を実施しました。
これまでも、学生調査は様々な機関で実施されていますが、学生の「満足度」を調査するものがほとんどです。しかし、今後のあるべき教育を考えるにあたって、「満足度」を指標にすることは果たして良いことなのでしょうか。学生をお客様ではなく、大学が目指す教育を実現するメンバーの1人として捉えるならば、学生「満足度」よりもむしろ「コミットメント」や「納得」が重要になると考えられます。また、就職率や資格合格率だけではなく、「学生の成長」「身についた力」などの成果にこそ注目する必要もあるでしょう。
このような問題意識のもと、今回、大学に対する学生の「コミットメント」「納得」、彼らが感じる「大学の価値」にフォーカスした大規模調査を行いました。本調査では、㈱応用社会心理学研究所が行ってきた大学評価モデルやキャリア形成の知見を活用し、今後の大学教育のあるべき姿を探るための本質的な要因や構造を明らかにできるよう設計されています。学生視点を取り入れながら今後の高等教育の在り方を検討できるデータとして活用が期待されています。
また、本調査は、「選ばれる学校づくり研究フォーラム」でもご紹介しております、「全国専門学校共同卒業生調査」(毎年、全国共通フォーマットで実施)と同様の指標が織り込まれています。教育課程を修了してすぐの学生視点からみた、リアルな教育評価を専門学校と大学を比較分析できる調査は極めて前例が少なく、大学とは異なる専門学校の「価値」についても、広く社会に発信する貴重なデータになると考えられます。
調査結果は今後広く社会に発信してまいりますが、とりいそぎ、本サイト上で概要をご報告いたします。
■調査方法
インターネットリサーチ
(インターネットリサーチ会社 クロス・マーケティングに登録するモニターを利用)
■調査対象
2020年3月卒業の大学学部生(4年制大学 ※医・歯・薬・獣医など6年制の学部生を含む)
回答数1251人 うち有効回答数1147人※
※精度の高いデータ分析を実施するために、1251人の回収データから回答矛盾や不真面目な回答サンプルを除去するデータクリーニングを実施。有効な回答と認められた1147人を分析対象とした。
■調査時期
2020年3月
■本調査の意義(ポイント)
・学生視点による大学教育の価値、大学教育のリアリティを測定
・「満足度」ではなく、「コミットメント」「納得」を測定
・「全国専門学校共同卒業生調査」と同様の「指標」を活用しており、専門学校教育と大学教育を比較できる
・大学評価モデルやキャリア形成の知見を活用し、本質的な要因や構造に迫るよう設計
■主な調査項目
・大学へのコミットメント
・教育に対する充実・納得度
・3ポリシーの理解・浸透度
・進路に対する納得度
・大学への適応・不適応
・職業意識の醸成
・得られた経験・身につけられたスキル
・大学の授業、設備、先生、支援などに対する個別の評価 など
★大学と専門学校の評価比較の例 ※2019「全国専門学校共同卒業生調査」全体データによる
▶教育や学生生活に対する充実・満足度
・「教育は良かった」大学生 66.4% 専門学校生 65.9%
・「学生生活は楽しかった」大学生 81.5% 専門学校生 74.9%
▶個別評価項目
・「先生は教育・指導に熱意を持っていた」大学生 57.6% 専門学校生 71.5%
▶卒業後の進路に対する納得度
・「就職先が「学んだことを生かせる分野」」大学生 66.9% 専門学校生 91.0%
など
調査結果は、今後広くリリースしていきます。また、「選ばれる学校づくり」研究フォーラムにおいても、専門学校データとの比較を含めてご紹介していく予定です。どうぞご期待ください。
※過去の専門学校データはこちら
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